【第四回目】
訪問ありがとうございます。
さて、私は彼を信頼して、様々な悩みを打ち明け始めました。
仕事のこと、家族のこと、過去のことetc
なんでも話しました。
彼は先程までの自己開示モードから、一転してしっかりと深く聞いてくれました。
私はいよいよ、長年誰にも言わなかった、秘密の悩みについて、話そうとしました。
ですが、いざ話そうと思うと
色んな考えがせめぎあい、まったく言葉が出てきません😣
「言いたい!せっかくプロと話せる機会なんだもの!でも、言ったそばから、感情が高ぶって泣いてしまいそう!恥ずかしい!」
「所詮自分が吐き出して楽になるだけの行為じゃないか。聞いてる相手は絶対に楽しい気持ちにはならないよね。」
「同情も、主観的アドバイスも要らない。そんなのもらったら逆に辛くなるだけで、スッキリしないし全く癒されない。この人に何ができるの?」
「なにより思い出すだけで苦しい、忘れたい過去の出来事。やっぱり言うのよそうかな(><)」
「でもいい加減に、この重い荷物を手放したい!!」
頭の中はそんな考えがグルグルして、
私はどうしたらいいかわからなくなりました。
彼は私の沈黙する様子を見て、提案をしてくれました。
「話せないなら無理に話さなくていい。
でも話したいなら、負担に感じないから、話してみてほしい。
その出来事を、自分と切り離して、まるで映画の主人公が経験した話とすると、話しやすくなるよ。」
“映画の中の出来事のように話す。”
自分ではなく、映画の主人公に起こったこと。
そのイメージを受け取ったことで、ぐんとハードルが低くなり、話し始めることができました。
その時、不思議なことが起こりました。
目の前に確かに彼は座っているのに、そのことを話し始めてから、居るんだけどいないみたいで、
例えるなら、彼に向けて話している言葉が、彼をすり抜けて、消えて行くような感覚でした。
彼は一切、主観を入れずに聞いていました。
完全に私になって、私の気持ちを理解することに専念していました。
そこには、全くジャッジがありませんでした。
話し終えると、彼は一言、
『それは、とても、辛かったよね。』
と言いました。
私の過去の出来事は、
到底、彼にとっては共感出来ないことです。
こんな言葉は、上辺だけとも受け取れるけれど、決してそうじゃないと感じました。
こんな体験は初めてで、
言うだけで精一杯で、
古傷をえぐることになるだけかと、
かなり恐れていた私にとって、
信じられない結果でした。
癒しと感動が同時にやってきました。
なぜこんなことができるの?
これは一体なんなんだろう?
どんな技術を使ったんだろう?
私はもっと深い知識の元にある技術だと、大きな可能性を感じました。
絶対知りたいって思いました。
(五回目に続く)