伝えるということ⑩
私は、絶交されてももういいや!
はるちゃんの要求に応えられなかったけど、
私は所詮そんな存在なんだ。
仕方ない。もういいや。
その頃から薄々、
彼女のご両親が不仲で、
寂しい思いをしていて、
それで情緒不安定なのだと気付いていました。
だから試しているのだと。
試されているならそれに応えて見せてあげようと思っていたけど、
能力、技術、知恵、
なにもかも足りなくて、
答えることができなかった。
あぁ、私って大して何にもできないんだなぁと感じました。
だから絶交を受け入れました。
でも数日で、
彼女は仲直りしたいと言ってきました。
なんなの?と思ったけど、
またそれも受け入れることにしました。
そうしてそのサイクルを、
何度も何度も繰り返しました。
私はどんどん疲弊していきました。
はるちゃんがご機嫌な日は
私にとっても平穏な日。
はるちゃんの心が不安定な日は
どこで爆発するかわからない恐怖の日。
絶交のままでいいと言っても
それも叶わない。
要求や会話で解消できない怒りは
暴力であらわれる。
私は学校に行きたくなくなり、
風邪をひいて休むために、
わざと雨に打たれたり
するようになりました。
残念ながら元気でどこも悪くなくて
学校に行けちゃうなぁ・・
と思う朝はとても憂鬱で
そういう日は
はるちゃんの家に着く前に、
『神様、どうかはるちゃんの心が安定してますように』
とお祈りする習慣ができていました。
つづく