伝えるということ12

母と担任の先生は、わたしの様子がおかしいことに気付いていました。

 

知らないところで交流してくれていたようです。

 

ある日夜遅く、

いつもならもう寝ようかという時間に、

「学校では最近どうなの?

何か困ったことや悩みがあるんじゃないの?」

ときいてきました。

 

わたしは、

ぎくっとして、

なにも言わず固まりました。

 

「・・もしかしたら、はるちゃん?」

 

はっきりと原因をきかれて、

10歳のわたしはもう隠すことが出来ず、

わーっと泣きだして、

いじめられて辛いことを話し始めました。

 

それは同時に

 

そんな恥ずかしい娘なんですわたし。

でも私のことを嫌いにならないで。

そして、何より悲しまないで、

はるちゃんのことも怒らないで。

 

そんな願いが込められた告白でした。

 

心配をよそに

母はやっぱりという感じで、

「わかってたよ〜

なんでもっと早く言ってくれなかったの?

辛かったね〜〜」

 

と言ってくれました。

 

よかった。

ただただ、緊張と恐れが溶けていくのを感じました。

 

それからは、

はるちゃんから、

距離をもって接することが出来ました。

 

そうこうしてるうちに、

家族で引っ越すことになって、

転校が決まり、辛いいじめは終わりました。

 

つづく